生き方上手
孫子の兵法「最後に勝つ人」の絶対ルール
第三講:「謀攻篇」
「戦わずして勝つ」これが「孫子」の鉄則
19 戦う前に相手の戦闘心をくじく
上兵は謀を伐つ。
戦う前にまず確かめるべきは、相手に戦う気があるかどうかだ。そのうえで「ある」とわかったら、相手が戦う気をなくすように仕向けるといい。それでもまだ戦いの芽が小さいうちに摘み取ってしまうことが望ましい。
「天下の難事は必ず易きより起こり、天下の大事は必ず細きより作る」これは老子の言葉。
天下の難事・大事といえども、事の起こりは簡単に解決できる些細なものだったという意味です。
戦いも同じ。
ある日突然、「さあ、戦争だっ!」と始まるわけではありません。
ですから、相手の闘争心の芽をできるだけ早い時期に摘み取っておけば、戦いになることを未然に防ぐことができるわけです。
たとえば、ライバル会社が自分の会社と同じクライアントを狙っていると察せられるようなとき。
私なら、すぐにライバル会社の社長なり担当者なりに会いに行って、うちと戦う気があるかないかをたしかめます。
そのときは丸腰で行くのがポイント。
前にも言いましたね。
大した人物ではないように思ってもらったほうが、相手はこちらをなめてかかり、本音をポロリと洩らすからです。
そうしていろんな話を聞きながら、「戦意あり」とわかったら、その瞬間から態度を豹変させることが大事です。
可能な限りの方法と回数で歴戦の強者としての実力を示し、自分たちの会社がいかに多くの戦いを勝ち抜いてクライアントを獲得してきたかをアピールするのです。
加えて、こちらが相手の弱みを研究し尽くしていることも明確に示し続けます。
それで相手のこちらに対する印象は大分変わります。
さらに、この戦いが「労多くして益少なし」と相手に思わせるような要素を次々示していきます。
こんなふうに、相手に早い段階で「こいつと戦っても勝てない」と思わせる。
それが孫子の言う「謀を伐つ」ということ。
これができれば、戦う前にライバルたちをどんどん排除していけるのです。
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