生き方上手
孫子の兵法「最後に勝つ人」の絶対ルール
第八講:「九変篇」
いつ、何が起きても「動じない人」になる極意
53 「強みが弱みに変わる」五つのパターン
将に五危あり、必死は殺す可く、必生じゃ虜とす可く、忿速は侮る可く、廉潔は辱む可く、愛民は煩わす可し。
必死の覚悟も過ぎれば思考力が鈍る。必ず生き残るという思いも過ぎれば臆病になる。旺盛な闘争心も過ぎれば冷静さを失う。愛情も過ぎれば判断を誤る。優れた資質を持っていても、偏重すると弱みになることを覚えていきなさい。
人間の資質には、そう大きな優劣の差はありません。
問題は、強みとされる資質でも、ある一方にのみ凝り固まること。
「過ぎたるは及ばざるが如し」で、強みも過ぎれば弱点になってしまうのです。
孫氏はここで、ダメ将軍になってしまう五つの危険をあげていて、ふつうはリーダーシップ論として読まれます。
でも、「五危」は、リーダーならずとも当てはまるもの。
一つひとつを見ていきましょう。
第一は「必死」。
前にも出てきましたね?
がんばること自体はすばらしいのですが、それが「死ぬ気で」というところまでいくと、どうしても思考力が鈍ります。
威勢のいい言葉をわめき散らしたり、前後の見境なく無謀な行動に出たりするなど、「当たって砕けろ」的な行動に終始してしまうからです。
第二は「必生」。
「絶対に目標を達成する」などと気合を入れることは大切ながら、これも過ぎれば手段を選ばず突進するというようなことになりかねません。
あるいは達成への思いが強すぎて、失敗するわけにはいかないと臆病になる場合もあるでしょう。
いずれにせよ、「人間としてどうなの?」と疑われる行動に走ってしまうのです。
第三は「忿速」。
闘争心むき出しで、しょっちゅう怒鳴り散らしているような人がいますね?
そんな闘争心も、ここぞのときに発揮されるならいいのですが、そればかりだと冷静な判断ができなくなってしまいます。
それに挑発に乗せられやすく、すぐに頭にカッと血が上がって無分別な行動に走り、まんまとはめられる恐れもあります。
第四は「廉潔」。
常に清廉潔白であることは立派ですが、これも行きすぎると、非常に生きにくくなってしまいます。
「かくあるべし」ときれいごとばかり並べて、融通のきかない堅物ななるのがオチ。
「清濁併せ呑む」くらいの図太さがあったほうがいいのです。
第五は「愛民」。
たとえば子どもに愛情を注ぐ、部下に愛情を持って接する。
そういった自体はすばらしい。
ただ愛情をかけすぎると、その人間を甘やかしてダメにしてしまう恐れがあります。
また自分自身の目も愛情で曇り、物事を客観的に判断できなくなるかもしれません。
以上の五つが、孫氏の言う「自分にとって強みとなる優れた資質が、そればかりに偏重すると弱点になる」パターン。
孫氏らしい深い洞察と言えるでしょう。
長所は短所の、短所は長所の裏返し。
強みは弱みの、弱みは強みの裏返し。
正反対の二つの資質をバランスよく備えていることが大切です。
これもまた「陰陽和して元となす」という考え方の延長戦上にあるもの。
「深情けが仇になった」「闘争心が裏目に出た」「プライドの高さで自分の首を絞めてしまった」といったことがないよう、行きすぎを自戒してください。
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